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『がぁらないとシネマ』のミリッサに関するブログ。 なりきりを知らない方、苦手な方は注意。 あとミリッサのキャラを知っている方へ。 なんかもう色々ごめんなさーい。
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日差しが窓から差し込んで、魔術師は目覚めた。
鳥が歌うかのように朝を教えてくれる。
身体にのしかかる布団が重みに感じるが、
この家の主が起きない訳にもいかない。
一般市民の暮らすスペースよりも
だだっ広さは早朝から掃除や洗濯など
家事をしないと間に合わない。
同居者が役割に応じて仕事をしてくれているが、
招き入れた身として威厳と言うものは保ちたい。
させているばかりでは罪悪感の方が表立って
顔を合わせられないのも理由の一つだ。
錘が全身に抱え込んだ気分を秘めながらベッドから降りる。
Tシャツ一枚とズボンの格好。
癖のある髪が寝相のせいで跳ねた。
外で歩くような姿はしていない。
室内まで性別を隠すのもおかしな話。
同居人に見られる前に髪型は正すがどうにもやる気が起きなかった。
朝が弱いのが原因だ。
夏の蒸した気温でも布団が恋しくなるほど。
伸ばしかけた腕に理性を働きかけるかのように引っ込める。
眠さから涙を溜めて大欠伸をかいた。
怠惰だと馬鹿にされても構わない。
この時はプライドはミジンコ以下だから。
猫背気味の背中を真っ直ぐ立たせる頃になると意識もクリアしていた。
壁に立て掛けた時計の針をみると
ご飯が出来上がる時には同居人らがテーブルを囲んでいるだろうか。
「さて、そろそろ起きないとな。
今日の朝ご飯は食パンとサラダに
ベーコンをカリカリに焼いて目玉焼きにしようか」
頭に描かれた献立を想像しながら
鼻歌を紡ぐ姿は悪戯を企む子供みたいだと笑われる。
隠し味に気付かれないように料理を提供出来るか。
そんな無駄な遊びをしているから言われるのだろう。
(ガサガサガサガサ)
が、不穏な物音が聞こえてくると、意識を中断させた。
ベッドの横に備え付けた長剣に手を添える。
護身用として常に置いているものだ。
剣士のように俊敏に扱えないのが痛い所。
ただ魔術を放って家が半壊するのは避けたい。
(ガサガサガサガサ)
それにしても褒めてあげたいぐらいだ。
仮にも女と言えども冒険者の室内。
気配を悟られずに侵入するなんて相当な手誰と推理した。
足を立てないように息を殺して気配がするクローゼットに手をかける。
緊張が背中を駆け巡った。
「誰だ?」
問い掛け。
クローゼットを解放した先にいる人物に投げ掛ける。
剣先をつきつけ身動き出来る機会など与えはしない。
まるで縄張りを荒らされた獣が威嚇するかのように瞳を細める。
夜目の利かない双方では、抽象めいた形しか捉えられない。
が、距離が縮まると次第に敵意が抑えられる。
呆れ3割、水が沸騰してしまうほどの怒りが7割芽生えたのも同時だ。
この男は同居人の一人だ。
「何しているんだイバオム。」
「その気配はマシィじゃないか。おはよう。」
「いや、挨拶はどーでも良いからさ。何でお前が此所に居るんだ?
むしろ、いつから俺の寝室に入った!!」
と、早いスピードで言葉をまとめると、
イバオムはわざとらしく悩ましげに腕を組んで考え込んだ。
あぁ、その態度が拳を振るいたく原因だと気付いているだろうか。
「そうだな。」
「あー、今なら許してやるから答えろ。」
「なら答えよう。あれは真夜中の三時ぐらいだったな。
風呂に入ったのは良かったのだが、
着替えの服を忘れてしまってな。
マシィの物を借りようと忍び込んだ。」
「で、何で朝方までいるんだよ?」
「・・・眠ってしまった」
隠す素振りもせずに堂々と胸を張るイバオムの姿は
してやった感が漂っていた。
朝から人騒がせな男の腸を抉りとって
掻き回したい衝動に駆られたが、
「ところでマシィ。ご飯は作らなくて良いのか?」と、
現実に引き戻され怒るには怒れなくなった。
周囲からは完全に遊ばれていると感想を頂けるだろうが、
誰も居ないので気にしたら負けだ。
イバオムの腕を捕らえてクローゼットから抜けだした。
灯りが無いと時間の流れが分かりにくいから。
室内に戻ると日差しが目を刺激して瞼を開けられない。
「あー、目がいってー。」
「マシィは修行不足だな。」
「うっせーよ。それにこれは人間として、
自然現象であってな・・・って、えぇぇぇぇ!!!!
お前、なにちしちゃってるのおぉぉ!!!?」
光の加減に慣れて身体を向けると、
待っていたのは人の服を着ていたイバオムだった。
男装しているものと違う。
花柄が彩ったワンピースを大の男が着ても良い筈が無い!
しかも付属品のリボンを剥きだした肩に螺旋状へ巻かれていた。
百歩譲ってイバオムが女だったら可愛らしさが残っていたかもしれない。
ギリリリッ、と唇を噛み締めた。
「お、マシィどうかしたのか?そんな泣きそうな顔をして」
「誰のせいだ!おい、早く俺の服を返しやがれ!!」
デシフェルのデートに着用する予定していた服は無残なものとなった。
背格好が同じ位だからって、
ピッタリなサイズなのも乙女として自信喪失だ、この野郎。
と、訴えかけた目を送るがイバオムは鼻をほじくって話をスルー。
「こ、この・・・」
「それよりもマシィ。ご飯を作らなくても良いのか?」
「はっ!?」
漫才みたいなやり取りを続けていたから時間の経過に無頓着だった。
青筋を立てる思いを封印するかのように両手を合わせて心を律した。
「怒りを収まれ」
「全くマシィはカルシウムが足りていないんじゃないのか?」
「誰のせいで怒らせていると思っているんだ・・・って、ちょっと待てイバオム。」
颯爽と扉に手をかけたイバオムの肩を掴んで止めた。
「なんだ?」
「その手に持っているものは何かな?」
イバオムの手サイズで収まった布。
形容したくはない゛ソレ゛は、いわゆる勝負下着。
爽やかな笑顔で尋ねる姿に命の危険性を感じたのか、
イバオムは「・・・」と、無言を貫き通した刹那、
ドアを限界まで開けて逃げ出した。
その時間はおよそ数秒。
勝負下着を盗んだままの鮮やかな脱出。
(扉から出て行っただけだが、
込み上げる怒りのボルテージが動きを鈍らせた)
扉が閉じる前に手を差し入れて止めると、
慌ただしい軽快なステップで通路を走るイバオムの背中に叫んだ。
「イバオムーーーー!!!」



「マシィ、どうかしたの?」
朝っぱらから下着救出作戦を決行する為に
イバオムと数十分に渡るイタチごっこを続けていたが、
全力疾走で両者は駆けているので
床が軋みをあげたりと五月蠅いものだった。
声の持ち主も眠気を含ませたような口振りから
起こしてしまったと予測が立てられる。
第二の同居人であるパシモだ。
小さな子供は瞼を擦りつけながら眠そうに欠伸をする。
寝たいといった雰囲気が見え隠れしていた。
「パシモすまねーな。朝から五月蠅かっただろ?」
「んっ、大丈夫。でもマシィどうかしたの?」
「あー。ちょっと大事件が発生した。」
「大事件?」
「朝から大事件か」
「そうそう・・・」
頷きかけて口を閉ざした。
逃げていたイバオムが何気ない顔で会話に加わっているのだ。
勝負下着を持ったまま。
それでパシモも事情を察した(嫌な気付かれ方だ)のか、
邪気を含ませた危ない炎を指に灯す。
焼き付くさんとする勢いから慌てた。
パシモを後ろから抱き締めて全身全霊で止める。
とても不満そうに(¬ε¬)のみたいな顔を浮かべていたが譲る気は毛頭ない。
「マシィー」
「パシモ、分かってくれ。家は犠牲に出来ない。
それに火事になったら周りの近所の目が怖くて外に歩けなくなる。」
「近所付き合いは大人の嗜み(?)として重要だもんね。分かった諦める。」
「こ、子供らしかぬ発言だな。」
「でも・・・」
「でも?」
パシモの指が通路の奥に示された。
移した目で捉えたのはマッハなスピードで
駆け抜けたイバオムの背中だった。
パシモに意識を向けている間に逃げる選択肢を与えてしまったようだ。
剣を手の中でバネのように跳ねさせて掴むと、
「イバオムうぅぅぅぅ!!!」威勢の良い掛け声を
(絶叫マシンに乗ったような悲鳴に近いものも混じっていた)
喉から絞りだすと同時に投げた。
絶妙なコントロールは正に野球選手さながらだ。
「マシィ、パワフル」
と、目を点にさせて開いた口が塞がらないと言った雰囲気を漂わせるが、
イバオムはさらに上をいく男だった。
ひょいっと、階段の手摺に身体を乗せてスライディング。
標的を失った剣は壁にぶつかる。傷が出来たことを告げておこう。
「あぁぁぁぁっ!!!(お、俺のマイホームがぁっ)」
「修理費どの位かかるかな。」
「貧乏な家なのに。」
「こんなに家は大きいのにね。」
「家買った時に金注ぎ込んだからな。」
「マシィ、それを゛むけいかく゛って言うんだよ。」
子供に注意される今年23の大人。
涙が洪水のように流出して前が見えなくなったよママン。
パシモも空気を読み取ったのかタオルを渡した
(昨日使ったものだけど)
青春で垂らした汗を拭くようにタオルを広げさせて
優雅(ただ単に拭いているだけ)な動きで涙を拭う。
「・・・じゃなぁぁぁい!!こんな事をしてる場合じゃない。
パシモ、イバオムを追うぞ。」
「マ、マシィ!朝ご飯はどうするの?
今日はお客も来るんじゃなかったの?」
「客が来る前に・・・むしろアイツにこの失態を
気付かれる前にイバオムを殺るぞ。」
「(目がマジだ)」
宙に放り投げたタオルは
(あとで片付けるから放っておいて構わないよな)
床に落ちてそのまま放置。
パシモは何か言いたげだったが、
イバオム確保作戦に協力してくれるのか階段を降りた。
慌ただしい二つの足音は家中に聞こえるものだったが気にしない。



こうしてイバオムとの追いかけっこ仁義無き戦いが火蓋を切って落とされた。




師匠のブログに乗せて貰ったよ。
俺が仕事増えて本土に行けなくなったから。
次回はシキミ・ライブラ・デシフェルの三人を出して、
最後にユンコとミリッサ、アイスちゃんを出したい。
なんだか大人数過ぎて笑いしかでねーけど。
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